生きるということ Part1
今から随分前の事。まだ仏教にあまり関心がなかった頃・・・というより
出来るだけ神仏の存在から離れたいと 無意識のうちに避けていた。

そんな頃・・
親戚のおばあちゃんが 風邪で病院へ行ったまま 帰らぬ人となった。
お腹が苦しいらしい・・・・腸閉塞を起こしていて末期の大腸がんだった。

その場で入院。点滴のみの毎日。
腸の状態がすごく悪いので 口からは一切の水分も何一つ
摂取してはいけない・・・なんて・・・残酷な事。

喉が渇くからお水が欲しい・・ってばあちゃん言ってるやん。
なんで一口も飲ませられないんだろ?
飲んで寿命が縮むの?
末期のがん患者の残り少ない時間を ただ引き延ばす為だけに。
口の渇きを潤す事を 誰が禁止できるというのだろうか。。

絶対ダメ!って付き添う家族までが 医師の指示通り従う。
この病院は医療のレベルも看護のレベルもひじょーーーに低いと
前から感じていた。

もしも 自分が救急車で運ばれる事があっても ここの病院だけは
来たくないなぁ〜って思ってた。まさしくその通りだった。
ばぁちゃんはそれから三ヶ月、点滴だけで骨と皮になって逝った。

これが85年生きてきた人の最期なのかぁ。。
悲しすぎるよね。
小夏なら その瞬間に終わりの時が来たとしても、
思いっきり飲みたい物を飲むぞぉ! 

生きるってそうやろ?
喉が渇いてたら 潤したいよね。


あれからもう十年余り・・終末医療の現場はどれぐらい進化しただろうか?
2004. 5.24






生きるということ Part 2
ご近所のおばあちゃんの話をしよう。
病名は忘れてしまった。
確か脳梗塞で倒れて・・その医療&看護レベルの低い病院に運ばれた。
あぁ・・もう あかんわ。
あの病院に運ばれたらあかんわ。

私たちは 口々にそう言ったものだ。

そのおばあちゃんは、完全に植物人間の状態になって・・
三年間。
一度も意識が戻らないまま 天国へ逝った。

ご家族は、
もしかしたら今日は意識がもどるかもしれない・・
って毎日 枕元で名前を呼んだ。

看護士は・・
名前を呼びかけて、
そして
思いっきり手の甲をつねりあげたらしい。
痛みを感じるかどうかを 確認しているらしい。
けれど・・
家族にとって 見ていてどれだけ辛いものか。

看護に携わる人は マニュアル通りでいいだろう。

でもでもね。
大事な自分のお母さんが眠り続けたまま 意識がないからといって
内出血が残るぐらい つねるというのはどないなもんやろ?

意識が戻らなくても きっと夢を見続けているんだろな・・
ってみんな思ってた。

でも痛い夢を見せていたのかもしれないよね。。

ねぇ・・
これってさ。
植物人間の状態っでも生きてるんだよね?

機械で呼吸してるよね。

自分に生きてる実感がなくっても・・

生きてるんだよね?
2004.5.30